図書館で借りた本
『運命の足音』
五木 寛之 著
五木 寛之氏が70歳になる頃のエッセイで、
戦後ずーっと心の中に持ち続けていた(黒い影)を
やっと書けた作品のようです。
【『もう、書いていいのよ』という母親の声が、
最近、どこからともなくきこえるようになってきたからである。】
と、「あとがき」に記されています。
人間が生きていくときには、
周りの環境と本人の持って生まれた素質が影響すると言われますが、
親も兄弟も選べないし、ましてどんな家庭に生まれるかも選べない。
多くの才能を与えられて生まれてくるか、
わずかな才能しか与えられないで生まれてくるかも選べない。
努力できる才能があるかないかも選べない。
この本にこのようなことが書かれていました。
【『凡夫こそ本願の正機たるべし』 親鸞の言葉だそうです。
(自力では諦めきれぬと諦めて 他力をたのむ ほかにすべなし )
凡夫とは、きっぱり割り切ることができずに、
うじうじ生きているふつうの人のことだそうです。
困難なことが続くときは、何となく気を引きしめて、
天運の流れというか、見えない警告の言葉に耳を傾けて、
できるだけ控えめにものごとを処しなければ、と自分に言いきかせたりする。】
凡夫は、困難な時は運を天にお預けしてもよいのかもしれない。
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