昔のことと今のこと
60年も前の昔のこと、
小学校の音楽室にはピアノがあり、
各教室にはオルガンが1台ずつありました。
休み時間毎、そのオルガンには弾きたい学童が行列していました。
それを見て、担任の教諭が
『家にピアノかオルガンがある人だけ、弾いて良いよ。』って言いました。
『家にない人は弾いてはいけません。』
その残酷な言葉と、
オルガンが弾けない悔しさと、
家にオルガンがある子が得意げに皆の前で、
(ネコ踏んじゃった)を弾いている満面の笑みを未だ忘れられません。
わたしはその頃、家で炬燵の上に紙に書いてある鍵盤を広げて弾くマネをしていました。
子供を育てている時、
あんな惨めな思いをさせたくないと思っていたら、
親戚からピアノを貰えて喜んでいたのですが、何年か後に、
夫がわたしに相談なしで、知人にあげてしまいました。
ガッカリ😮💨しました。
あまりにも悲しかったので、
ピアノは買えなかったけれど、
夫の猛烈な反対を押し切り、
その頃、流行りだったシンセサイザーを買いました。
娘に買い与えるという名目でしたが、
明らかにわたしが欲しかったのです。
それからしばらく、
結婚した娘の家に置いてありましたが、
娘が孫のためにピアノを買ったので、
このシンセサイザーが邪魔になり、
我が家に引き取りました。
ピアノもシンセサイザーも弾けないわたしの元に戻って来てどうする?
でもこのシンセサイザーが手元にある限り、
あの悔しさを感じた子供の頃のわたしを慰めてあげることができます。
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